流量調節計(フローコントローラ);基礎知識
流量制御は生物学・化学・食品・各種製造プロセスや分析分野において不可欠です。これらのプロセスアプリケーションでは、流体(気体・液体・蒸気)をコントロールされた方法で供給する必要があることは明らかです ― これは本質的に流量制御の定義です。正確な流量制御は、最終製品の品質を向上させ、さまざまなプロセスフローの調査を通じてプロセスの理解を向上させ、プロセスステップを高速化する可能性があります。最終的に、流量制御はプロセスの経済性を向上させます。この目的のために、流量制御装置または「フローコントローラ」が用いられます。

流量調節計(フローコントローラ);基礎知識
フローコントローラとは何か

フローコントローラは、気体、蒸気、または液体の形態の1つ以上の化合物の流量を制御し、その化合物をプロセスに投入します。これらのフローの表現には、化合物のグラム毎分などで表される質量流量(マスフロー)、または毎時リットルなどで表される体積流量(ボリュームフロー)が用いられます。
質量流量と体積流量 は、温度と圧力に依存する化合物の密度を通じて互いに関係しているため、相互に変換できます。多くの研究および生産プロセスでは、体積ではなく質量が重要な変数であるため、体積流量制御よりも質量流量制御が好まれます。しかしながら、多くのユーザーは体積単位で考え、作業しており、そこでボリュームフローコントローラが登場します。
フローコントローラはどのように動作するか

フローコントローラは、制御弁(control valve)と制御用ファームウェアを組み合わせた流量計です。流量計は、プロセスに供給される化合物の流量を測定します。この測定値が設定値(添加する化合物の所望の流量)から逸脱した場合、実際の(測定された)流量が最終的に設定値に達するように制御バルブが開度調整されます。
フローコントローラの動作を説明するために、ブロンコスト製EL-FLOWマスフローコントローラの主要部品を図に示します。本体内の層流要素(laminar flow element: LFE)は、流体の流れの一部を流量測定用センサ(Sensor)に導きます。フローコントローラの流量測定部分と直列に制御弁が配置され、開度調整により流路のサイズを変化させ、実際の(測定された)流量を設定値に一致させます。エンクロージャ内の電子基板(Pc-board)には、流量計とバルブ間の制御およびフィードバックソフトウェアが搭載されています。
フローコントローラにはどのような種類があるか

センサーのタイプによってフロー コントローラの種類が大まかに決まります。
- サーマル原理(熱式)ベースのフローコントローラ
サーマル原理によって動作するフローコントローラは、気体または液体の熱容量を利用して質量流量を測定・制御します。ブロンコストでは、それぞれ独自のセンサ技術を備えたサーマルマスフローコントローラを複数ラインナップしております: - コリオリ原理採用のフローコントローラ
コリオリ原理によって動作するフローコントローラ(ブロンコストのmini CORI-FLOWシリーズなど)は、流体の質量流量と質量慣性の間の直接的な関係を使用します。これらは流体の性質に独立して動作するため、さまざまな未知のあるいは変動する混合物にも使用できます。さらに、これらのコリオリベースのフローコントローラを用いる場合、機器を他の液体に使用するときに換算(コンバージョン)の必要がありません。 - 超音波技術ベースのフローコントローラ
ブロンコストのES-FLOWフローコントローラは、超音波を用いて液体の体積流量を測定・制御します。センサは流体の流速を測定し、これにデバイス内のチューブ断面積を掛けると、液体の体積流量が求められます。